ブツブツよ永遠に
僕には肩にブツブツがある。
毛根性苔癬という病気?らしいのだが小学生から大学生の頃までこのブツブツがとんでもない程のコンプレックスだった。
半袖なんか出来るだけ着たく無かったし、タンクトップなんてもってのほか、大学生頃に七分袖というものが世の中に出始めたときは企画した人間に心から感謝した。
当時、僕からしたら肩のブツブツは呪いのようなもので、人生における負債でしか無かった。
大学生の頃、僕は軽音楽サークルに入った。そのサークルは音楽好きだが根暗な人が集まっていて、言い方は悪いが社会不適合者が集まってくるような音楽サークルだった。
根暗な僕はそのサークルにすぐ馴染んだ。みんなが聴く音楽もアンダーグラウンドで陰湿な音楽や攻撃的なハードコアなものが多く、当時ロキノン厨だった僕にはアウトローな感じがとてもカッコよく思えた。
しかしそのサークルにも問題点があった。
デリカシーというものがまるで存在していなかったのだ。
乙○さんのセックスを議論しての爆笑する先輩や女性部員にエグいセクハラ(言葉だけ)を日常的にかける先輩。所謂普通のコミュニティーで「いい子」してきた僕には衝撃でしか無かった。
そしてその矛先が僕にも向くことなる。
夏の日、ある先輩が僕の横に座った。その先輩はサークル内でも人気のある人で、当時の僕はあまり話したことも無かった。その日の僕は半袖を着ていた。ブツブツは全開だった。
先輩「うわっ!お前めっちゃ肩ブツブツじゃん!!」
バレた…終わった……めっちゃ引かれてる…
僕は恥ずかしくてうずくまっていた。
しかしその先輩は今までの人の反応とは違った。
先輩「なんで早く教えてくれなかったの?めっちゃ面白いじゃん!!」
「こんなブツブツなのすごいねー!?えー!?病気!?」
異常に興味を持って僕のブツブツを面白がってくれたのだ。側からみたらデリカシーの無い行為かもしれない。
だけどそのとき僕の中で何かが変わった気がしたし、負債でしか無かったものが笑いに変わったのが衝撃だった。もしかしたら自分がただ気にし過ぎてただけなのかもしれない。そう思えた。
それからは少し自分の事が好きになれた気がするし、自分のブツブツもネタとして昇華できるようになった。
なんでこんな事書いたかと言うと、当時病院で「大人になればこのブツブツも落ち着く」と言われたのだが、先日30歳になった今も僕の両肩にはブツブツが健在だからである。
もうこれは一生もんだな!これかもよろしく!