カレー
カレーが好きだ。
ふとした時に自分が好きなものにハッと気づくときがある。そう僕は気づいてしまったのだ。やっぱりカレーが好きなのだ。
若い頃は基本的にはアウトロー寄りでいたいという拗らせ系男子だったのだが、もう30歳を越えて、好き、嫌いの境界がやっとはっきりして来たように思える。
「世紀末リーダー伝たけし」という漫画がある。僕の思春期の愛読書だったのだが、そのワンシーンに
「たけしはカレーみたいだよな、みんな好きで」
みたいなセリフがある。
このセリフを見たときに自分は食い物に例えたらどうなるんだろう?と考えてみたことがある。僕はクラスでも中心になるような人物でも無かったし、そのようなタイプではないと自覚もしていた。
そしてどういう食い物になりたいか考えた結果、珍味みたいになりたいと思った。カラスミとか酒盗、塩辛みたいな。
分かる人には熱烈に支持されるようなそんな人間になりたい。憧れるようになった。
その結果、変に拗らせてしまい、みんなが好きなもの、メインカルチャーを避けるようになってしまっていった。カレーも小さい頃から好きだった。しかし、みんなが大好きであろうカレーを好きと言うことがなんだかダサいように感じるようになってしまったのである。今考えるとアホだな、と思うがその当時は本気でそう思ってたのである。
大人になるというか色々な情報を吸収していくと自分の純粋な気持ちというものがどんどん見つけづらくなっていく。
損得やら世間体、見栄やら誤情報。
だからこそ自分が好きだという気持ちは大事にしていきたいよねって昼にカレーを食ってて思いました。
他人の作るカレーってみんな違って大体美味いから好きです。個性が出てる気がして。